食の安全について〜院長のつぶやき

2023年4月より遺伝子組み換え有無の表示義務がなくなります。
毎日口にするものへの関心を高めていただく一助になればと思って、この記事を書いております。

「毎日食べているもので、私たちの体全てはできている。」
医食同源=食生活から病気になりにくい体と心に

日本は許可されている農薬はヨーロッパの2倍以上です。規制緩和という名の下に許容量が増加傾向にあります。
また、単位面積あたり農薬使用量は世界一です(2022年)。この理由として、温暖多雨で病害虫・カビが発生しやすく、それによる減収、品質低下を防ぐことが挙げられます。
ドイツ、フランス、英国の約3倍使用しており、残留基準値も高いのです。

目次

1.主食

米に使われる農薬

イネの初期成育段階で使用される除草剤は、米に殆ど残留する可能性はありません。問題は、稲穂が出てくる夏場に散布する殺虫剤の残留です。何回散布されたか、残留農薬料の検査をして公表しているところが、40年前には秋田農友会だけでした。そのため、Powowでは秋田農友会の米を使っております。


米はカメムシが一番の大敵で「ネオニコチノイド」という農薬を使うのが一般的です。
「ネオニコチノイド」は、胎児だけでなく幼児でも、脳を毒物から守るための脳関門が未発達であるため毒物が脳内に入り込みやすく、脳内のさまざまな部位の正常な神経回路形成を阻害し、自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)を引き起こす原因となる可能性も示唆されています。

小麦に使われる農薬

輸入農産物は輸送中のカビや害虫を防ぐために「ポストハーベスト(収穫後散布農薬)」があり、生育中の農薬よりポストハーベストの方が残留農薬量が多いのです。小麦粉はパン、うどんなどだけでなく、お菓子や即席麺などあらゆる食品に使われるので要注意です。
Powowでは国産の小麦のみを使用しております。

2.除草剤

グリホサート(ラウンドアップ)について

グリホサートは日本で一般的に使われている除草剤です。
元モンサント社(現在バイエル社に合併されている)が生産販売、2018年の裁判結果で発がん性が認定され、現在、和解金関連で多数の裁判が継続中です。

モンサント社はかつてベトナム戦争で使用された枯葉剤を開発しています。ベトちゃんドクちゃんをご存知の方も多いのではないでしょうか?
モンサント社は遺伝子組み換え種子とラウンドアップをセットで世界中に独占的に売っていますが、ヨーロッパでは禁止されています。

3.遺伝子組み換え食品(大豆・とうもろこしを中心に)

人間が直接口にする食品のみならず、日本の家畜飼料の9割が輸入とうもろこし(主にアメリカから)です。前項のグリホサートと遺伝子組み換え食品はセットなのです。食肉だけでなく、牛乳、チーズ、バターなどにも残留が確認されています。

牛には遺伝子組み換え飼料だけでなく、ホルモン剤も使用されています。ホルモン剤を使用した肉を口にすると、運動選手ではドーピング検査に引っかかるほどのホルモン(ステロイド系)が出ます。乳をたくさん出すようなホルモン剤を使用されている「スーパーカウ」は1回の妊娠で多量の乳を出します。普通の乳牛は一生涯で3回の妊娠をして乳を出してくれますが、一気に沢山搾乳された余剰な牛乳は捨てることになり、ミルクメーカー=酪農家とはならなくなります。そうなると、SDGsとしても、牛の体にとっても「Sustainable」ではないと言えます。

遺伝子組み換え食料は、ワクチンでも言われていますが、時を経てどのように人間の体の中で動くか、残っていくのか、まだまだ分からない事がたくさんあります。ラットやマウスで発癌性が見られたという論文も出ています。注意していく必要があると思っています。

種苗法改正により遺伝子組み換え種子が日本にも入ってくるようになります。
遺伝子組み換え種子は再生産ができず、前年の収穫したものから次の年の種が作れません(生物として不可能)。遺伝子組み換え種子を一旦使うと、毎年バイエル社(モンサント社)から種(除草剤とセットで)を買わないといけなくなってしまいます。遺伝子組み換えを使わない国産のものの方が価格が高くなっています。これは、国内農業発展の破壊、食糧の自給率の低下につながっていきます。

参考映画「フード・インク」 
2011年アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネート

4.砂糖

Powowでは、北海道で生産されているビート(砂糖大根)から作られる甜菜糖を使用しています。
アメリカ産の甜菜糖は農薬が多いため、北海道産のものを使っています。

甜菜糖は、オリゴ糖が含まれており、腸内細菌ビフィズス菌の栄養源となります。また、血糖値の上昇が緩やかで、ミネラルが白砂糖より多く、体を温める作用があります。

5、食品の成分表示

食品添加物の記載を見る習慣が必要です。(食品表示基準による)原材料の後の[/]以降が添加物です。
特に、ハム、ソーセージ、ベーコン、いくら、たらこに使われる発色剤には注意が必要で、亜硝酸ナトリウムは発がん性があると言われています。また抗細菌作用もあります。

最後に

全ての添加物を避けての食生活ができるわけではありませんが、どのようなものが自分の体にどれくらい入るのかということを意識する必要です。プランクトン、小魚にある微量の「毒物」が最終摂取者(人間)にどれだけ蓄積するか(食物連鎖)を考える必要があります。
消費者の行動が企業を変えていきます。ウォールマートにはオーガニックコーナーできました。
1週間に1回でも、1ヶ月に1回でもオーガニック食品を摂るだけで、体も社会も変われます。

食の安全に対する意識への一助となれば幸いです。

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